1.情報公開法成立の経緯
1996. 4.24 情報公開法要綱案(中間報告)発表
1996.11. 1 要綱案、公開法要綱案の考え方を行政改革委員会へ提出
1996.12.16 「情報公開法制の確立に関する意見」を橋本総理へ具申
1998. 3.27 情報公開法案と整備法案を閣議決定、国会へ提出
1999. 5. 7 衆議院本会議において一部修正のうえ可決
2.情報公開法の概要
(1)対象機関:国のすべての行政機関及び会計検査院
・特殊法人:2年を目途に法制上の措置をおこなう
・国会、裁判所:三権分立の立場から本法の対象除外とする
・地方公共団体:対象外だが、本法にのっとり条例の制定や修正が要望されている
(2)対象文書:業務上の必要性に基づき保有しているもの全てを対象とする
(3)不開示情報
・個人に関する情報:特定の個人を識別できる情報は原則不開示とする
・法人情報:正当な利益を害するもの、任意に提供された情報を不開示とする
・国の安全、公共の安全等に係る情報:行政機関の長の判断が尊重される
・審議検討情報:中立性欠如、特定の者に不当に利益、不利益を及ぼす場合
・存否に関する情報:情報の存否で支障が生じるものは存否の情報を拒否する
(4)請求手続
・請求権者:何人も請求権者になれる(外国人でも可)
・第三者に対する意見提出書提出の機会付与:公開情報の第三者の権利を保護
・手数料:請求者が実費の一部を負担する
・利用しやすい仕組み:郵送による開示請求、開示や総合案内所の設置
(5)情報公開審査会:客観的、合理的解決を図るため総理府に設置
(6)行政文書の管理:行政文書の管理に関する定めを作成し一般の閲覧に供する
3.情報公開法の今後の課題
(1)政令の策定
(2)情報公開審査会の設置
(3)総合案内所の整備
(4)審査基準の策定
(5)文書管理基準の策定および文書管理
(6)特殊法人の情報公開の検討
4.システム監査との関連
国及び地方公共団体のシステム監査が関連することとなるであろう。
(1)行政文書の適正な管理
(2)検索システムの充実
(3)行政文書の真正性の保障システム
(4)個人情報保護システム
5.福岡県情報公開条例の改正点の検討
地方公共団体でも今後、国の情報公開法と同じレベルでの情報公開の整備が必要。
第1条(目的):条例第1条(目的);特段の改正点は認められない。
第2条(定義):条例第2条(定義)
(1)行政機関:条例では、実施機関;
(2)行政文書:条例では、公文書
第3条(開示請求権):条例第5条(請求権者等)
(1)請求権者:国の場合「何人も」で制限はない。県は一定の制限がある。
(2)請求文書:国の場合は、制限はない。県は一定の制限を設けている。
第4条(開示請求の手続):条例第6条(開示の請求方法)
第5条(行政文書の開示義務):条例第9条(開示しないことができる公文書)
第6条(部分開示):条例第10条(公文書の部分開示)
第7条(公益上の理由による裁量的開示):条例の規定なし
第8条(行政文書の存否に関する情報):条例に規定なし
第9条(開示請求に対する措置):条例第7条(開示の請求に対する決定及び通知)
第10条(開示決定の期限):条例第7条(開示の請求に対する決定及び通知)
第11条(開示決定等の期限の特例):条例に規定なし
第12条(事案の移送):条例に規定なし
第13条(第3者に対する意見書提出の機会の付与等):条例に規定なし
第14条(開示の実施):条例第8条(開示の実施及び方法)
第15条(他の法令による開示の実施との調整):条例第14条(他の法令との調整等)
第16条(手数料):第19条(費用負担)
第17条(権限又は事務の委託):条例第21条(委任)
第18条(審査会への諮問):条例第11条(不服申立て)
第19条(諮問をした旨の通知):条例に規定なし
第20条(第三者からの不服申立てを棄却する場合等における手続):条例に規定なし
第21条(設置):条例第13条(福岡県情報公開審査会)
第22条(組織)
第23条(委員)
第24条(会長)
第25条(合議体)
第26条(事務局)
第27条(審査会の調査権限)
第28条(意見の陳述)
第29条(意見書等の提出)
第30条(委員による調査手続)
第31条(提出資料の閲覧)
第32条(調査審議手続の非公開)
第33条(不服申立ての制限)
第34条(答申書の送付等)
第35条(政令への委任)
:条例第13条(福岡県情報公開審査会)国の審査会には、インカメラ手続、ヴォーンインデックスの権限。
第36条(訴訟の管轄等の特例):条例に規定なし
第37条(行政文書の管理):条例に規定なし
第38条(開示請求をしようとする者に対する情報の提供等):条例第15条
(情報公開の総合的な推進に関する県の責務)、条例第18条 (公文書の目録の作成)
第39条(施行状況の公表):条例第17条(情報公表制度の拡充)、条例第20条(運用状況)
第40条(行政機関の保有する情報の提供に関する施策の充実):条例第16条
(情報提供施策の拡充)
第41条(地方公共団体の情報公開):条例に規定なし
第42条(特殊法人の情報公開):条例に規定なし
第43条(政令への委任):条例第21条(委任)
第44条(罰則):条例の規定なし
附則:条例附則;特段の改正点は認められない。
介護保険のコンピュータ認定は正しいのかというように、今後、公共団体など
でシステム監査が重要になってくるのではないか。
|