九州支部 例会の内容 [2014年7月度月例会](第276回)
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  特定非営利活動法人 日本システム監査人協会(SAAJ)九州支部
  平成26年度 7月度(第276回)議事録
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■ 開催概要
   日時:2014年 7月26日(土)13:00-17:00  
   場所:西市民センター 視聴覚室
   参加:
    小野 哲夫 下司 正雄 関 大吉 田坂 和彦* 田中 彰*
    鶴岡 通  平山 克己 舩津 宏 堀 正和   前田 弘幸
    中溝 統明 (11名) 
        *:ISACA福岡支部

   共催:システム監査学会九州地区研究会、ISACA福岡支部 
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  月例会アジェンダ
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 ■ ビデオ視聴(13:00-15:00)
  ・第192回月例研究会(2014年7月3日開催)
   「クラウドサービス利用のための
        情報セキュリティマネジメントガイドライン
                 の概要及び改訂について」
 ■ 報告(15:00〜15:40)
  ・出席者近状報告

 ■ 討議(15:40〜17:00)
  ・「ベネッセコーポレーション」から顧客情報が大量に流出   

 ■ 次回開催予定
  ・8月度月例会(第277回) :
    2014/9/6(土)  13:00-17:00 西市民センター

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   月例会内容詳細
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 ■ ビデオ視聴
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  第192回月例研究会(2014年7月3日開催)
  演 題:「クラウドサービス利用のための
       情報セキュリティマネジメントガイドラインの概要及び
                          改訂について」
  講 師:上坪 健治 氏
         経済産業省 商務情報政策局 
         情報セキュリティ政策室 室長補佐 
      永宮 直史 氏
         特定非営利活動法人 
         日本セキュリティ監査協会(JASA)事務局長 

  要 旨(講演骨子):
      本年3月、経済産業省では「クラウドサービス利用のための
      情報セキュリティマネジメントガイドライン」を改訂しました。
      本ガイドラインは、JIS Q 27002:2006(ISO/IEC 27002)における
      実施の手引をベースに、クラウドサービス利用における
      情報セキュリティ管理の確立、導入、運用、監視、見直し、
      維持及び改善のために必要な情報を提供するものです。
      本講演では、本ガイドラインの趣旨と概要について中心に
      解説するとともに、改訂によって生じた主要な変更点について
      も紹介します。

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  ■ 討議
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(1)「ベネッセコーポレーション」から顧客情報が大量に流出

   皆さんから沢山意見が出ました。残念ながら時間内にまとめる
  ことができませんでした。次回の討議も積極的にご発言ください。

  - 「委託された外部の会社で派遣社員(SE)がDBから顧客
    情報をダウンロードした」
   ・何故システムとして防げないのか?
   ・アクセス権限を持つ人は、本来はDBの運用保守を業務とす
    るから、DBへのアクセスは可能です。ですから不正を暴く
    ためにシステムは証跡や牽制の目的でログを採取している。
   ・また、USBを利用しています。USBはメモリもあります
    が、キーボードやマウスもあります。バックアップなどの
    作業でUSBメモリを利用するから、DBの運用保守で
    USBメモリを利用することは通常にあります。ただし、
    USBの接続を制限してる場合が多いです。
   ・重要なデータにアクセスする場合はダブルチェックをしてる
    ケースが多いが、今回はなかったと思えます。
   ・利用したUSBはスマホでUSBメモリ接続を禁止制限する
    機能が働かなかったようです。システムとして問題はあります。
    しかし、システムが最新技術に対処するにはコストと時差が
    生じます。セキュリティ対策をシステムだけに頼ることは
    問題があります。
  - 「システムのセキュリティーは、悪意のある人間が連動すれば、
   開けられる」
   ・問題発覚直前まで複数回にわたって顧客情報をコピーできた
    のは、通常業務として行えたと思えます。作業中の監視が
    十分でなかったようだ。私物の持込み、アクセスログの分析
    など金融機関では当然施行されているセキュリティ対策が
    なされていない。
   ・下請け業者の派遣社員ですから、システム運用会社にSEの
    監督・管理責任があるけど果たせてなかったと思えます。
    最近のICT事件は下請け業者が起こしているので、セキュ
    リティ対策を見直さなければなりません。
  - 「名簿業者に自分から買い取りを持ちかけ、数百万円で売った」
   ・顧客情報のコピーと転売を繰り返したらしいが、250万円ほど
    で、名簿業者は重複するデータは買い取らないから、悪行は
    儲からない。
   ・DB作業者は年収700万円以上など条件を設けて、金銭的
    問題からのセキュリティ犯罪を防止する方法も考えられます。
   ・名簿業者は情報の出所を深く詮索しないようです。だから、
    データから情報の出所が判れば、安易に転売できなくなるの
    ではないか?暗号化も必要だが、データからオーナが判別で
    きるようにすべきです。
   ・不正競争防止法違反(営業秘密の複製・開示)の疑いだが、
    名簿業者から買い取る企業は「収集制限の原則 (Collection 
        Limitation Principle)」を認識されてないことが腑に
    落ちない
   ・企業が名簿業者から入手したデータ全てを削除すると発表
    したが、削除したことを確認できるのだろうか。事前の
    データと重複したと言えば削除の対象外となるのだろうか
  - 「センシティブ情報が漏れたわけではないから金券を配布する
   ことは検討していない」
   ・クレジットカードや銀行口座の番号、病歴などのセンシテ
    ィブ情報が流出してない場合、金券配布はいらないのでは
    ないか。
   ・配布した前例があるあら、風説など事故を鎮静化するため
    には金銭的な補償など形にしなければならないでしょう。
   ・500〜1千円とする例が多いようです。金融機関には
    1万円ほどの例もあります。
   ・金券配布はやめて、再発防止の研究基金として拠出される
    ことが有意義で教育企業らしいいと思います。

  以 上