九州支部 例会の内容 [平成12年9月度](第123回)
日 時:平成12年9月16日(土) 15:00〜17:00
会 場:福岡市早良区百道2−2−1 早良区民センター 実習室
参加者:10名

[発表内容]
1.「通信傍受法の制定について」(行武郁博氏)
(1)ポイント  
・通信傍受法が1999年8月12日に成立、2000年8月15日に施行。 ・組織的犯罪対策3法として制定された。
・憲法21条第2項の通信の秘密規定との関係が問題とされている。

(2)通信傍受法の手続きの概要:令状請求、令状発付、傍受の実施、記録の 作成・提出、通知・記録聴取、(不服申立て)、報告・公表となる。

(3)問題点  
・警察制度改革の目途がつくまで施行を延期した方がよかったのではないか。
・憲法21条「通信の秘密は、これを侵してはならない」に違反ではないか。
・傍受場所が、交換機や専用線等でなされると無関係な通信が大量に傍受される。(米国で、傍受記録(傍受すべき通信に該当する通信記録)は原記録の約20% という例がある。)
・立会人は、通信の内容を聴けない。立会いに伴う人的負担や経費も問題である。
・傍受記録に記録された通信の当事者に対してのみ通知がなされる。
・携帯電話の傍受は技術的に難しく、巨額のソフト開発が必要となる。
・メールサーバーでの傍受、暗号化された電子メールの傍受はどうなるか。

2.その他
(1)「これからのシステム監査のあり方について」意見説明 (守田昭彦氏)
・システム監査の目的、定義、将来像について
・情報処理技術者試験「システム監査」のあり方について
・安本哲之助副会長の巻頭言(税経通信 2000.9)の紹介
・システム監査の基本概念(FISC)

(2)会員の書籍紹介(平山克己氏)
「創造するSE」、上級SE教育研究会(中谷正明氏ほか4名)編著、CQ出版社

(3)ISO15408の認証、認定制度及びBS7799の動向について (福田啓二氏)

(4)住民基本台帳ネットワークシステム概要について(木下一朗氏)
・セキュリティ設計方針
・個人情報保護
・住民基本台帳カード