九州支部 例会の内容 [平成11年6月度](第108回)
日 時:平成11年6月19日(土) 15:00〜17:00
会 場:福岡市早良区百道2−2−1 早良区民センター 第2会議室
参加者:10名
[発表事項]
(1)サマータイムの導入について(守田昭彦氏)
1.サマータイムとはなにか
・サマータイムとは標準時間を1時間進め、太陽光を有効利用する制度
・高緯度の国では1910年代から導入、現在では70カ国以上で実施
・日本でも昭和23年に実施されたが、国民の反対で昭和27年4月に廃止

2.いまなぜサマータイムか
・平成10年「地球環境と夏時間を考える国民会議」設置
(環境庁、経済企画庁、通産省の3省共同)
・サマータイムを省エネ対策の目玉として取り上げようとしたもの
・総理府の平成10年世論調査で賛成が54%となった

3.サマータイム制度の実施プラン
・一斉実施には地域によって問題点も残っているが、大勢は実施の方向
・実施時期は2年間の準備が置かれた、2002年が見込まれている。
・省エネ効果50万キロリットルは、わが国の省エネ対策の約1%
・ハードとソフトの改修費は約1000億円のコスト負担が見込まれる。

4.サマータイムとシステム監査
・実施に伴う問題点の検討が不足しているように思われる。
・コンピュータの実務家や専門家が検討に参加していないようだ。
・タイマー組み込み自動機器の普及がどれほど影響混乱するかが最大の問題点
・サマータイム制があるところにコンピュータを導入するのと、コンピュータが普及しているところにサマータイム制を導入するのは、根本的に違う。
・サマータイムは毎年2度、一斉に変更するためにY2K以上の問題がある。
・交通信号機、時計の設定、ATMの時間設定、運行記録計などに影響が大
・システム監査はなにをすべきか → 制度の導入をムードでやっている面があるので、広く問題の検討を呼びかけ、対応を研究する必要がある。

(2)地上のデジタル放送について(秀嶋弘行氏)
・わが国の放送が本格的なデジタル化時代を迎える。
・地上デジタル放送は、視聴者に高品質で多様なサービスをもたらす。
・2010年までの10年間の経済波及効果は約212兆円、雇用創出効果は約711万人と推計されている。
・アナログ放送の終了目安は2010年である。
・放送会社は移行の並行期間に、アナログ設備とデジタル設備の準備が必要であり、負担が大きい。(スポンサーが2倍になることはない)
・白黒でカラーは受像できたが、今回はアナログ受像機を変える必要がある。
・インターネットが普及しているのに、多様なサービスが必要か。

参考文献:「映像メディア学会誌」Vol.52,No.11,pp.1539-1545(1998),
−地上デジタル放送の導入政策と将来展望−
関東郵政観察局総務監察官 吉田 昇

<サマータイム制、その後の動き>
サマータイムの実現を目指してい超党派の参議院議員連盟は8月11日、同法案の今国会への提出を断念したと発表しました。慎重意見が多かったようである。(守田氏)