九州支部 例会の内容 [平成11年4月度](第106回)
日 時:平成11年4月17日(土) 15:00〜17:00
会 場:福岡市早良区百道2−2−1 早良区民センター 第3会議室
参加者:9名
[発表事項]
(1) インターネット上の著作権について(平山公一氏)

・紛争になった場合、どこの国の法律が適用されるのかが問題である。
・ベルヌ条約のおかげで、どこの国の著作権法も大きな違いはない。
・現在の議論の中心は、デジタル著作物と電子ネットワークの問題である。
・平成9年6月10日に著作権法が一部改正になった。
 「インタラクティブ送信」に係る送信可能化権の創設、著作者の権利拡大、「同一構内」での送信に係る権利の拡大、用語の整理など
・マルCマークかCopyrightの表示があれば、無法式主義締結国の国民の著作物を保護することになっている。
・著作権法には「両罰規定」があり、問題が発生した場合は企業にも責任が及ぶ。
・他人の著作物を無断でサーバにアップロードすると複製権侵害にあたる。
・例外的に当該他人の許諾を得ずに利用することができる。
a.著作物の保護期間が終了している場合(原則として50年)
b.法令、通達、判決などの利用
c.官公PR資料などの転載
d.上記以外の著作物の引用
・リンクは原則として複製権の侵害にはならないが、リンク先に対してのネチケットが必要である。(事前にメールを出す)
・情報技術が発展し続けているため、あらためて著作権の勉強が必要である。

◆参考資料:Webコンテンツと知的財産(Internet Week‘97講演録)
http://www.law.co.jp/jpnic/jpnictop.htm
http://www.nic.ad.jp/iw97/JPNIC-PDF/okamura-doc.PDF (PDF版)
◆電子ネットワークの知的所有権法F.A.Q
http://www.law.co.jp/okamura/faq/cybfaq01.htm
◆文化庁のホームページ
http://www.bunka.go.jp/

(2) DESのアルゴリズムについて(行武郁博氏)

・RSAとDESを組み合わせることによって実用化が図られている。
・DESは暗号化、復号化が高速で行える。
・平文をビットに変換し64ビットのブロックに分割して次の処理をする。

・暗号の強度をあげるには多重に暗号化することが有効である。
(3重に暗号化する方法のtriple−DESが用いられている。)
・アルゴリズムでは、ビット単位の追加、削除、置換え、論理演算等が使用されているだけであり高度な数学の知識がなくても理解できる。
・操作モード例:原文を処理するのではなくランダム処理したものを暗号化する。 ◆参考図書
「暗号」 辻井重男 講談社選書」
「コンピュータネットワーク暗号システム」 菊池豊彦 NECクリエイティブ
「ネットワークセキュリティ」 チャーリー・カウフマン他 トッパン
「暗号のすべてがわかる本」 吹田智章 技術評論社
「情報セキュリティ調査研究報告書」
社会安全研究財団情報セキュリティ調査研究委員会