継続教育要項

2004年10月13日 制定
2020年12月 1日 最終改定

継続教育要項

特定非営利活動法人
日本システム監査人協会
公認システム監査人認定委員会

 公認システム監査人(Certified Systems Auditor : CSA )、システム監査人補(Associate Systems Auditor :ASA)の継続教育について、以下の通り定める。

1.継続教育の考え方

 産構審「情報化人材対策小委」の中間報告(1999.6.21)の提言を受けて、当協会はシステム監査人に相応しい「実務経験」と「継続的な能力の維持・向上」に努めているかを別途評価して、認定する公認システム監査人制度を創設(2002.7.1)した。
 継続教育は、この「継続的な能力の維持・向上」の項目に該当するもので、上記中間報告の言う「IT技術が急速に進化する中で、システム監査人が最新の技術動向に対応できるよう情報処理技術者試験の見直しとあわせて定期的セミナーの受講を義務づけるなどの方策を検討する。」との提言を受けたものである。
 継続教育要項は、公認システム監査人やシステム監査人補が、システム監査や情報セキュリティ監査あるいは関連する情報技術分野の最新の動向に対応できるようにし、その知識・技術に関する一定の能力レベルの維持・向上を図ることを目的とする。

2.公認システム監査人、システム監査人補の認定と継続教育

 当協会はシステム監査技術者を対象に、所定の継続教育の受講を条件にシステム監査人補を認定する。さらにシステム監査人補を対象に、2年以上のシステム監査の実務経験を審査し、所定の継続教育の受講を条件に、公認システム監査人に認定する。
 同時認定申請の制度や特別認定制度については、「公認システム監査人認定制度」(2002.2.25)に定められている。
 公認システム監査人、システム監査人補の認定の有効期間は2年とし、継続教育の受講条件等をクリアすれば認定資格の更新を行うことができる。

2−1.認定期限

 認定日より2年経過した年の末日 (2013年度認定者の認定期限は、2015年12月31日) となる。
 ただし、認定証には、暫定有効期間として、認定期限の翌年2月末日までの期間を表示する。暫定有効期間とは、次期認定証の交付申請、同審査、結果通知までの間、運用上、認定を有効とみなすもので、旧認定証の実質上の有効期間は前年12月31日である(2013年度認定者の暫定有効期間は、2016年2月末日となる)。

2−2.継続教育算定期間

第1年目   認定日の翌年年末まで(2013年度認定者の例では、2014年12月末まで)
第2年目   翌々年初より翌々年末まで(2013年度認定者の例では、2015年1月1日より2015年12月末まで)

 システム監査人補から公認システム監査人に認定されたものは、公認システム監査人認定日から、公認システム監査人としての継続教育が始まるものとし、システム監査人 補時代の継続教育内容は、公認システム監査人には引き継がないものとする。
 公認システム監査人認定第1年目の設定は、上に準ずる。

2−3.継続教育実績申告期限

 認定期限の翌年毎年1月1日から1月末まで。
 2月1日から2月末までは審査期間とし、認定された場合は、資格は同年1月1日に遡って更新される。これにより、旧認定証の暫定有効期間2月末日迄と新認定証の1月1日以降が重複するが、新認定証の1月1日を有効期間開始日とする。

2−4.継続教育実績申告方法

 保有資格を継続しようとする場合、認定期限満了の翌年1月1日から1月末までに、別途定める「認定資格更新申請手続」に基づき、「認定資格更新申請書」、「継続教育実績申告書」を協会ホームページ「公認システム監査人及びシステム監査人補の更新手続きについて」からダウンロードし、更新手数料振込み領収書(写し)を添付して提出する。(継続教育実績申告書の提出だけでは資格更新は認められない)。

3.継続教育の認定要件

 公認システム監査人、システム監査人補の認定の更新には、認定日より2年間及び当該2年間に含まれる1年ごとに、次に定める時間以上の教育を受けていることを義務づけられる。継続教育の範囲や認定される時間数も以下に定める。

3−1.継続教育義務時間

 義務時間は次のとおりである。

  1年間最低義務時間 2年間最低義務時間
公認システム監査人 30時間 80時間
システム監査人補 15時間 40時間

 (注)最低義務時間に達しない場合の取り扱いについては、3−4項参照。

 ただし、資格認定後10年以上連続して更新をしているものが資格更新継続を申請する場合は、下記の通り特例を認める(例:2002年認定取得者は2012年で10年以上更新している。以下2003年以降の認定取得者についても同様の計算による)

11年以上更新特例 1年間最低義務時間 2年間最低義務時間
公認システム監査人 21時間 56時間
システム監査人補 10.5時間 28時間

3−2.継続教育の範囲

 継続教育の種別、分野、活動内容、認定時間、上限時間を次のように定める。
 本要項内で、「システム監査に関する」という範囲には、IT技術の最新動向を含む情報システムに関するもの、及びシステム監査に大きな影響を持つ法令、規格、基準に関するものを含む。

種別 分野 継続教育とみなす活動 認定時間 上限
当協会主催の教育 講演会、セミナー、月例研究会、支部研究会、分科会への参加、システム監査普及サービスへの参画 実時間
×1.5
限度なし

(注)当協会の支部が主催する講演会・セミナーなども同じ扱いとする。
分科会とは当協会の事例研究会や各種部会等の総称である。
申告時の記載項目は、時間のほか日時、講演会名、講師、テーマでよい。

種別 分野 継続教育とみなす活動 認定時間 上限
b1 他団体主催のシステム監査に関する講演会、研究会及びこれらに準ずるもの システム監査学会、日本セキュリティ・マネジメント学会、経営情報学会、情報システム・ユーザ会連盟、情報システムコントロール協会、日本内部監査協会、(財)日本情報経済社会推進協会、日本公認会計士協会、(財)金融情報システムセンター、システム監査普及連絡協議会、情報サービス産業協会、情報セキュリティ監査協会、ITコーディネータ協会、日本ITストラテジスト協会などが主催するシステム監査に関する講演会・研究会などへの参加。
(財)日本情報経済社会推進協会が認定したISMS研修機関の実施するISMS審査員研修コースの受講、同協会が実施するプライバシーマークの審査員補養成研修コースの受講。
実時間 限度なし
b2 通信教育による学習及び自主学習 通信教育は本要項の趣旨に合致するものであれば、主宰者は受講者の所属の内外を問わない。
自主学習の対象は、当協会の「情報システム監査実践マニュアル」第3版(いわゆる赤本)「IT統制監査実践マニュアル」(黄本)、「個人情報保護マネジメントシステム実践マニュアル」(緑本)、「個人情報保護マネジメントシステムハンドブック」第2版、「発注者のプロジェクトマネジメントと監査」、「失敗しないシステム開発のためのプロジェクト監査」及び「システム監査 情報セキュリティ監査 ハンドブック」ならびに中央官庁またはそれに準ずる機関が発行、発表したガイドライン、報告書などとする。条件として、A4−1枚のレポート提出。
左記学習の合計実時間 1件あたり10時間、計3件・30時間/年まで
b3 情報システムベンダが主催する製品発表会等 同発表会の設営並びに説明聴取 左記設営並びに聴取の実時間 10時間/年

(注)申告時の記載項目は、日時、主催者名、講演会名、講師、テーマとなる。保存資料としては、講演会資料の表紙・目次等申告内容を証明できるもの。(後日の当協会のサンプリング調査に該当した場合に必要となる。)
上に明示がなく疑義ある場合は、種別fの個別審査として申告する。

種別 分野 継続教育とみなす活動 認定時間 上限
実務 システム監査・検査・審査活動
ITコンサルティング活動
監査活動一般
左記活動の合計実時間 30時間/年

(注)申告者の主たる職務としての実務をいう。申告時の記載項目は、外部監査、ITコンサルティングについては相手先名と活動内容(受託契約書等の写しが後日必要になる場合がある)、内部監査の場合は、申告者の所属・職務内容(職場の責任者の証明が必要になる場合がある。)となる。

種別 分野 継続教育とみなす活動 認定時間 上限
d1 教育学術1 大学・各種団体の講演・講義 各発表時間×3 限度なし
d2 教育学術2 論文・投稿発表 10時間/1稿 限度なし
d3 教育学術3 出版 10時間/1冊 共著を含む
限度なし

(注)システム監査に関連する教育の講義、研究発表並びに研究・準備活動や書籍出版、論文、資料等の原稿作成活動をいう。
申告時の記載項目は簡略化し、講演・講義・論文・出版等を証明する資料の表紙・目次等のページの写しを申告書に添付する。

種別 分野 継続教育とみなす活動 認定時間 上限
普及啓発 システム監査の普及啓発活動
協会の運営を支援する活動
左記活動の合計実時間 30時間/年

(注)システム監査の普及啓蒙活動とは、種別bにある他団体の役員・幹事・世話人などとしての活動をいう。組織体内でのシステム監査推進の活動は、種別cの実務となる。
協会の運営を支援する活動とは、理事会活動をはじめ、事務局業務、会報編集業務、各種委員会業務などを含め、種別aの協会行事の開催を支援する活動などをいう。
申告時の記載項目は、団体名、申告者の役割、簡単な活動内容となる。

種別 分野 継続教育とみなす活動 認定時間 上限
個別審査 協会が個別審査の上認めた講演会などへの参加。 実時間 限度なし

(注)上記各種の継続教育とみなされる活動以外に、公認システム監査人、システム監査人補として、継続教育とみなせる活動があれば、事後(実績申告時及び資格更新申請と同時)に個別審査を受けることが出来る。 申告時の記載項目は、種別bと同じになるが、審査用に受講資料などの写し(最低限表紙・目次等の内容が審査できる部分の写し)の提出が必要となる。

3−3.継続教育の調査

 継続教育の実績申告(実施報告)の真正を確保するため、当協会として適宜サンプリング調査を行う。そのため、該当者は申告書の記載内容を証する関係書類の提出を求められることがあるので、申告後1年間は資料の保全に務めなければならない。
 なお、申告者は、正当な理由がある場合を除き、当協会の調査を拒むことはできない。

3−4.最低義務時間に達しない場合の取り扱い

(1)累計2年分の最低義務時間に達しない場合は、継続教育受講の条件を果たされないことになり、それぞれの認定資格は失効となる。ただし公認システム監査人(CSA)で、システム監査人補の最低義務時間以上を実績として申告した場合は、システム監査人補(ASA)としての資格はできる。
上記の取り扱いについては、協会から本人宛通知する。

(2)各年度において長期の海外出張・留学、病気療養等の特別の事情により継続教育の受講が不可能となった場合は、その事由を付して申請することにより、当該資格の保持を一時留保することが出来る。その扱いは年度単位とし、最高で五年までとする。その間の資格は休止となり、対外的にそれぞれの認定資格の名称を使用することはできない。
資格の一時留保中の期間については、手数料等は徴収しない。

(3)一時保留中の資格を復活する場合は、任意の文書により復活申請する。
復活申請手数料として、「認定資格更新申請手続」に定める資格更新手数料を納入し、振込票の写しを添付しなければならない。
復活の場合、認定番号は新たな番号を付与するものとし、「継続教育算定期間」は復活の時点から開始する。
休止申し出の期間が過ぎるまでに、復活の申し出がない場合は、ただちに失効とする。

4.その他

 継続教育の実績申告の受付・審査・調査は公認システム監査人認定委員会が担当する。本要項についての質疑については、当協会ホームページのお問い合わせフォームよりご照会いただきたい。
 お問い合わせフォーム :https://www.saaj.or.jp/csa/toiawase.html
 認定資格更新申請手続:https://www.saaj.or.jp/csa/csakoshin.html

以上

------ 改定履歴 ------
1 2004年10月13日 制定
2 2006年 7月 1日 改定
3 2009年 1月 8日 改定
4 2009年 5月14日 改定
5 2012年10月11日 改定
6 2013年 3月14日 改定
7 2013年 9月12日 改定(3−2.継続教育の範囲)
8 2014年 2月 9日 改定(2−1.認定期限、2−4.継続教育実績申告方法)
9 2014年10月 9日 改定(2−4、3−1.10年以上連続して更新特例)
10 2020年12月 1日 改定(3−2、種別 b2の内容)


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(2020年12月2日)